大麦の栄養素 大麦β-グルカンについて
2020/01/28
大麦は、健康をサポートしてくれる成分がたっぷり含まれていることで知られていますが、
その中でも、糖の吸収を穏やかにしてくれる成分として、大麦β-グルカンに注目が集まっています。
本日は、この「大麦β-グルカン」についてご紹介いたします。
機能性成分 大麦β-グルカンとは
欧米を始めとする各国でその機能性が報告されている成分で、大麦全体にたっぷり含まれている水溶性食物繊維です。
食物繊維には、水に溶けにくいものと、溶けやすいものの2種類があり、実は多くの野菜は溶けにくい不溶性の割合が多く含まれています。そんな中大麦は、他の食材ではなかなかとれない、水溶性食物繊維がとれ、また精麦されてもその栄養価を損なうことなく摂取することができます。食物繊維の健康作用は水溶性と不溶性が偏ることなくバランス良く補うことが望ましいとされていますが、大麦は2種類の食物繊維がバランス良く含まれています。
この大麦β-グルカンには注目される3つの働きがあります。
- ● 糖の吸収を穏やかにしてくれる
- ● LDL-コレステロールをさげる
- ● おなかの調子を整える
糖の吸収を穏やかにしてくれる
食事をすると、食べ物は分解され、血液中に糖を吸収していきます。
通常は、食事によって上昇した血糖値はインスリンの働きによって下降するようになっています。ですが、食べたものや健康状態によって血糖値の調節がうまく働かず、正常値に戻らなくなってしまう場合があります。
高血糖状態になると、体に負担を与え、不調をもたらしてしまうため、避けたほうが良いとされています。
大麦β-グルカンは、糖の吸収を穏やかにすることで、血糖値の急な上昇を抑え、体に負担がかからないようにサポートしてくれる働きをします。
LDL-コレステロールをさげる
コレステロールには、「LDL」と「HDL」の2つの種類があり、それぞれ以下のような働きをしています。
LDL(悪玉)…体中にコレステロールを運ぶ
HDL(善玉)…余分なコレステロールを回収する
コレステロールは卵の黄身や肉、魚などの動物性食品に含まれていて、LDL-コレステロールが増えすぎてしまうと動脈硬化や高血圧などのきっかけとなります。
大麦β-グルカンには、コレステロールのもととなる物質と結合する働きによって体外へと排出を促したり、大麦β-グルカン自体がコレステロールの合成を邪魔する役割をします。
これにより、LDL-コレステロールをさげる成分として注目が集まっています。
おなかの調子を整える
腸内にはからだをサポートするたくさんの種類の善玉菌が生息しています。
大麦β-グルカンはこの善玉菌の餌になり、腸内での働きを活性化させ便通を促すなど、健康な腸機能を維持する手助けをします。
実は食物繊維の量は白米の約20倍
大麦にたっぷり含まれている食物繊維は、食べ続けることによって、便秘の解消や生活習慣病対策など、健康維持に役立つ成分として期待されます。
日本人には食物繊維が不足しているとも言われていますので、健康のためにも意識的に摂取していくようにしましょう。